か?というのは、先日退院した骨折の診察を
受けに行く途中、時間潰しに近くの某カフェで、
クレームブリュレラテを大テーブルで
飲んでいた時のこと。
斜め前に、私の敬愛する恩師に似た初老の男性が
座って新聞を読んでいることに、しばらくして
ハッと気がついた。
年賀状は欠かさず毎年やりとりしているが、
なにせ、40年以上会っていない。
昔はお顔も身体も全体がスリムだったが、
帽子をかぶり、ちょっと口元がふっくらされて
いる。あんまりジロジロ見られないから、1秒で
お顔も手も体型も観るが、冬だし体型まで
わからない。むろん、その1秒を何回も行ったが。
人間40年も経ったら、人相が変わってて当然。
大体の人は太るわな!?たるむわな!?
シワシワでシミシミになるわな?
だから、口元がふっくらされていても、自然な
こと。むしろそれぐらいなら、「全くお変わり
無いですね!」の部類に入る。
イヤイヤ、それ以外の老けの要素が全く無かった
から、逆に年齢を推測することができなかった。
私は病院へ行くまでの短い時間、心ザワザワして
ただクレームブリュレラテを半分すするぐらいしか
できず、カフェを後にした。
あんなに尊敬して、私の人格の3分の1は、
この先生の影響を受けているというのに。
「あっ ○○先生?」て、たとえ人違いでも、
声をかければ良かったのだ。
今の私はそれぐらいオチャノコサイサイに
できる面の皮の厚いオバハンに仕上がって
いるというのに。
きっとその瞬間、40年以上前の私に戻ったん
だろうな!?
もしくは、オバハンならわかってくれるだろう
けど、瞬時に透明鏡で、自分の見かけを映した。
普段着にスキー帽、化粧はスッピンに眉毛を
書いただけ。ブッ!ブッ!ブッ!「私です!」て、
とうてい言えない!!!女には、人と会うのに
準備がいるんだ。たとえいつも会う友達だって、
それなりの準備がいる。まして、40年ぶりに
会う恩師ならば、入念な準備がいるのです。
あれからもう何日も経つが、やはりなんで声を
かけて確認しなかったのだろう、と悔やんでいる。
心が、歳と共にバームクーヘンのように、40年分
積み重なっていくとしたら、ジリジリとキリで
穴を開けて、40年前の層に、キリの先が届いて
痛い。
何よりも、瞬時にその先生だ!と、
わからなかった自分がショックだった。