数年前、和歌山で村治佳織のコンサートが行われる日の朝、家に電話がかかってきた。
「村治佳織のマネージャーですが、佳織が飛行機の中に爪磨きを忘れてしまいました、貸してもらえないでしょうか?」という内容でした
僕は久々の再会に胸を躍らせ県民文化会館へ向かった。
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彼女と知り合ったのは 何年か前 和歌山でコンサートがあったときだ、
僕はその日のコンサートのプログラムの解説文を主催者から頼まれていた、
そしてコンサートが終わった後 彼女を交え近くの店で打ち上げをして おおいに盛り上がった、
その時彼女は10代の終わり頃でまだあどけない少女だった、
マネージャーも付けず 一人で東京から来ていた。
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県民文化会館に着いたとき ちょうどリハーサル中だった、
そこで見た彼女はとても綺麗なレディーに変わっていた、
僕は「お久しぶり」と声をかけた、
少し言葉を交わした後 練習の邪魔にならないように 爪磨きを渡して県民文化会館を後にした。
そして売れっ子になってしまった彼女は、コンサートのあと 打ち上げをすることもなく マネージャーと急ぎ足で東京へ帰っていった。
また「爪磨き」や「ギター」を忘れたら言ってください、貸しますから(笑)