昔 テレビで荘村清志先生がアルハンブラ宮殿でギターを弾いているのをみた、
ぼくもそこでギターの名曲「アルハンブラの思い出」を弾いてみたいという思いが沸いてきた、
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そして、それが叶えられるときが来た、
僕は少しの興奮を憶えながら、入場券売り場へ立った
いざチケットを買って中へ入ろうとするとチケット売りのおじさんのストップがかかった、
「ギターは中へ持ち込めない」と言う
僕は 「はるばる日本からギターを持ってきたのだから入れて欲しい」と頼んだ、
押し問答の末 結局規則だからダメだということで おじさんにギターを預けて宮殿を見学することになった、
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見学を終えて、「もう帰るからギターを返してくれ」と言うと
おじさんは、「そんなものは知らん」言い出した、
僕は「さっきおじさんに預けただろう、」と言い返した
それでもおじさんは「知らん」の一点張りだ、
僕はとうとう切れかけた、
おやじはその顔を見て二カッと笑い「冗談だ」と言いながらギターを持ってきた、
ほんとにスペイン人は冗談がきつい。
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アルハンブラ宮殿でギターを弾くことをあきらめた僕は、外にある「カルロス5世の宮殿」でギターを弾くことにした、
「アルハンブラの思い出」を弾き始めると、思いのほか良く響くのに驚いた、
あとで聞くと、ここは毎年 夏に音楽祭が開かれる場所で、以前にカラヤンも来た事があると知った、
どおりで良く響くわけだ。
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結局、アルハンブラ宮殿ではギターを弾くという夢は叶わなかったが、
このあと、宮殿の向かいにある「アルバイシンの丘」から 夕暮れに赤く染まるアルハンブラ宮殿を見ながらギターを弾き、
その美しさに感動しながら、「これでいいんだ」と自分に言い聞かせました。