墓地からウイーンに戻った僕は、ベートーベンが療養ため住んでいた町、
ハイリゲンシュッタットへ向かった、
ウイーンから電車に乗り終点のハイリゲンシュッタットまで行く。
今度は墓地とは反対に北へ30分ほど乗った、
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駅を降り立つと、目の前に「回転寿司」があった、
「ランニング・スシ」と英語で書かれてあった、
ハイリゲンシュタットに寿司屋があるのに変な感じがした、
しかし、「ランニング・スシ」では早すぎて皿が取りにくい、
せめて「ウォーキング・スシ」と名付けて欲しかった、、、。
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イヤイヤ、そんなことを考えるためにここへ来たのではない、
先へ進まなければ、
まずは ベートーベンが歩いた散歩道を歩くために 腹ごしらえをしておこうと、
駅前にある小さなレストランに入った、
サンドイッチとビールを頼んで、カウンターで立って食べた。
横ではおじさん達がゲーム機を相手に遊んでいる、
やけに楽しそうにはしゃいでる、男はいくつになっても子供なのだろうか?
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食事を済ませた僕はバスに乗り ベートーベンの暮らした町で降りた。
静かな町だ、やはり あまり人がいない。
ベートーベンが散歩した小川まで歩いた、
ベートーベンが歩いたように、僕も小川のほとりを歩いてみた。
少し、ベートーベンになったような気分を味わえた、
彼ははここで「田園」交響曲の構想を得たのだ。
しかし、昔の避暑地も今はウイーン郊外の住宅地になり、味気ないものになっていた。
周りは変わってしまったけど、この散歩道だけは当時のまま残されているのだろう。
近くにはベートーベンの暮らした家もあった。
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そうだ、日本に帰ったら この景色を思い出しながら、「田園」を聴いてみよう、、。