私は無口な子供だった。
自分の生まれ持った性格と家庭環境が
そうさせた。
言葉は、私を人間不信にさせた。
からかわれる、嫌みを言われる、いじめられる、
激情的に怒られる。
嫌なことが多かった。
私が2歳の時、近所のおばちゃんが
「桂子ちゃん お菓子あげるから泣き止みなぁ」
と言ってくれたけど、私は激しく泣きながらも
「関係ない!!!」と答えたらしい。
小さ過ぎて覚えてないが、泣いてることと
お菓子は、何の関係もないのに、おばちゃん
何言ってんの? と、2歳児の私は思ったのだろう。
筋の通らないことがイヤだったのは、生まれつき
みたい。
だから、ピアノに出会ったことは、私にとって
人生を変える大きな出来事だった!!!
ピアノで自己表現しても、叱られない!
むしろ褒められる!!!
喜び、楽しみ、遊び、怒り、哀しみ、
どんな感情も、ピアノにぶつけても、
他人に何も言われない!
こんな表現方法が、あったのか???という
新しい道具を獲得した、新しい感覚を見つけた
私のピアノの上達は、おもしろいほどだった!
(小さい頃はね!)
だから 私は楽器を弾く!!!
それでも、ピアノはまだ制約が多い!!!
作曲家の意図は違う!だの、この時代の弾き方は
そうじゃないだの、自分を感情を全て出して
弾くことを禁じられる。
だから私はフラメンコを踊る。
何を見たから、という訳では一切なく、
10代の終わりに、内発的にフラメンコが
どうしようもなくやりたくなった。
つづく